緋色の電球

タカハシカイト

https://note.com/tkhskt2001

遅い朝

目覚ましのアラームを止める。誰にもわかられることのない悲しみだけがおれを救っている、そう思いたいだけのただみっともないだけの欲望。それが形を変えて満たされた記憶が夢だったと気付きながら起きるとき、ちょっとした絶望感と怠惰がないまぜになって…

つんどけ! たかはしさん

おれのiPhoneには積ん読リストがある。大学に入って物忘れ防止のためリマインダーアプリを使い始めたのが勝手がよく、ToDoリストに加えて積ん読リストを作成した次第である。そこには図書館を彷徨っているうちに見つけた、惹かれる・または読みたいと思った…

秋の下書き大放出祭

2022/8/21 うちに泊まった友達を最寄り駅で見送った。おれはおれにしかなれないけどこれがおれなんだ、と思いながらSuiseiNoboaZのTHE RIDERを聴く。窓の外から、しとしと降る雨の音がきこえる。 大事にしたいことが誰にでもあって、譲れないことが誰にでも…

Break and Sure

いつか、昔から知る人間が変わっていくさまを見ていられるのは幸福なことだと書いた。それは正しかった。但しその幸福が、どれほど彼らに対する失望と、自分に対する失望を抱かせるかということに気づいていなかった。 おれは本当にどうしようもない人間で、…

Short short goodbye for(ever).

以前に旧友たちのドライブに同伴させてもらった時のことだ。帰る道すがら、運転席の彼が「引っ越す前にまた会えたら会おう」というような旨を言ってくれた。それが心の底からの言葉であるかそれともその場の雰囲気から出る常套句じみた友人への言葉であった…

免許皆伝の巻

過日、わたしは免許センターなる地に降り立った。1ヶ月に及ぶ自動車学校での奮闘の末、ようやく魔王の巣窟へと向かうお墨付きをもらったのである。免許を手にできるか否かという文字通りのラストバトル。結果から言えば魔王は倒れ、わたしは晴れて公道に繰り…